こまつ眼科は、常に患者様の立場にたち、患者様のための医療を提供していきます。 ADDRESS:高知県高知市大津乙1018-1  TEL:088-804-5588











白内障
人の目の中で、カメラのレンズにあたる部分を水晶体と呼びますが、この水晶体がさまざまな原因で濁ってしまう病気が白内障です。 白内障で最も多いのは加齢による加齢性白内障です。個人差はありますが、年を重ねるにつれて、水晶体は濁ってきます。 その他の原因では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症(併発白内障)、先天性白内障、目の怪我、薬剤や放射線によるものなどがあります。
白内障の症状は、視力低下(眼鏡で矯正しても視力がでなくなる)、目のかすみ、まぶしく見える、ものが二重に見えるなどさまざまです。 白内障治療としては、日常生活に支障がない初期の白内障であれば、進行予防の目的で点眼薬を使用します。ただし、薬剤は水晶体の濁りをとるものではありませんので、症状や視力を回復させることは出来ません。
白内障が進行すると、眼鏡で矯正しても視力がでないので、車の運転に支障を来す、読んだり書いたりすることが困難になる、テレビが見え難い、など日常生活に不自由を感じてきます。 進行した白内障は、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を入れる手術で症状や視力の回復をさせることが出来ます。最近の白内障手術は、手術技術、医療器械の進歩等により点眼麻酔で、痛みも少なく、短時間で終わるようになりました。また、眼内レンズも、従来の単焦点眼内レンズとは別に、多焦点眼内レンズ(先進医療)も選択できるようになりました。
現在では患者さんの全身状態や手術後の通院に問題なければ、日帰りで手術が行えます。手術後は感染予防の為、定期的な通院は必要です。また、眼内レンズには、ピントを合すための調節力がないので、手術後に視力が回復し安定する時期に、自分の目にあった眼鏡をつくる必要があります。
日常生活を送る上で、見え方に不自由を感じたら我慢しないで眼科医へご相談下さい。

はやり目(流行性角結膜炎)・プール熱(咽頭結膜熱)
はやり目とプール熱は、アデノウイルス(型は異なる)によっておこる短期的・集団的に発生する非常に感染力の強い結膜炎です。
症状は、充血・目やに・目の痛み・瞼の腫れ・涙がこぼれるなどの症状が激しくあらわれます。潜伏期間は、約1週間~10日です。
プール熱は、はやり目と同じような経過をたどりますが、はやり目よりは比較的目の症状は軽いが、喉の痛みと発熱を伴います。
これらの治療としては、現在有効な抗ウイルス薬は開発されていないため、対症療法と更なる混合感染予防を行うことが大切となってきます。また、これらの症状が治まってきた頃に、黒目(角膜)の表面に小さな点状の濁りが出現し、視力に影響を与える場合がありますので、しっかりと治療を続けることが大事です。
これらは、学校保健安全法で指定されている感染力が非常に強い病気です。主治医の指示に従い、家族や周りの人に感染させないよう予防することを心がけましょう。

網膜剥離(もうまくはくり)
網膜は、ものを見るための神経の膜です。これが、何らかの原因で眼球側壁から剥がれてしまうのが網膜剥離で、治療方法・経過はその原因や状態により異なりますが、症状が進行し悪化すると失明に至る場合もあります。
網膜剥離の症状は、痛みはなく、点状の浮遊物が目の前を飛んでいるように見える(飛蚊症)、キラキラと閃光が見える(光視症)、目の前にカーテンがかかっているような見え方、突然見えなくなった(急激な視力低下)、など症状は様々です。
急激な視力低下の場合は勿論ですが、飛蚊症や光視症が初期症状で出現した場合に、大したことはないと自己判断をして、治療が遅れ予後が悪くなることもあります。飛蚊症を引き起こす病気では心配のないものもありますが、網膜剥離や眼底出血、硝子体出血、ぶどう膜炎などの深刻な病気も潜んでいます。これらは、眼科で眼底検査をすればすぐに診断できます。網膜剥離は、早期発見・早期治療がとても大切です。特に見える浮遊物の数が増えたり形が変わったり、視力が落ちるような場合は直ちに、眼科医にご相談下さい。

小児の近視について
小児の視力低下の場合、大人のように「見えにくい」とは訴えない場合が多いす。日常生活において、物を見る時に首や顔を傾たり目を細める・テレビや本を近くで見る・屋外へ出ると眩しがるなど様々な「見えにくい」サインをだしています。また学校の視力検診で視力低下を指摘され初めて気づく場合もあります。
小児の近視の場合は、生まれ持った眼球の大きさや屈折率の影響が原因となる「近視」と、眼球そのものには近視が無い状態で、目の筋肉が異常緊張を起こし、偽の近視を作り上げた状態の「仮性近視」があります。眼科では、特殊な点眼を使用して屈折検査を行い、眼鏡が本当に必要かどうかの検査を行います。
また、小学校低学年までの視力低下には「斜視」「弱視」などの将来の視力に影響のある病気が潜んでいる場合もあります。ヒトの視力は7歳頃までに完成するため、斜視や弱視は早期発見・早期治療がとても重要です。
子どもの視力に不安を感じたら、早期に眼科で検査を行い、適した治療と正しい眼鏡処方を行うことが大切です。

目のまわりの疾患
・『さかまつげ』には眼瞼がんけん内反と睫毛しょうもう内反と睫毛乱生の3つあります。
 睫毛内反は小児など先天性に多くみられ、まぶたの皮膚がまつげを押さえつけ、角膜を傷つける状態で、一重まぶたの方に多くみられます。症状は、充血・異物感・流涙などです。角膜に当たっていなくても、瞳孔にかかるまつげが視力低下の原因になるとの報告もあります。治療は通常、手術(上眼瞼では通糸・埋没法などで二重瞼を作成)で改善します。
眼瞼内反は、こちらはまぶた自体が眼球側に湾曲している状態です。原因には、けいれん性・瘢痕性・老人性とあります。それぞれの治療としては、けいれん性はボトックス治療、瘢痕性と老人性は手術で改善します。
 睫毛乱生は、高齢者に多く、睫毛が部分的に内向きに生えて、角膜刺激症状を起こします。


・『まぶたの垂れ下がり』は眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩の2つに分けられます。
眼瞼下垂は上まぶたを持ち上げる筋力の低下などで生じます。先天性が80%を占め、後天性では内科的な疾患やけいれん性が原因のことも多くみられます。症状は、正面が見難く、症状が進むと瞼が邪魔をして視野が狭くなります。治療は先天性の場合は手術を行います。後天性の場合は原因疾患の治療が必要です。けいれん性の場合はボトックス治療となります。
眼瞼皮膚弛緩は、加齢により皮膚がたるんでまぶたを乗り越えて生じます。治療は余分なたるみや皮膚の切除手術となります。


・『涙』花粉症や角膜障害でも起こりますが、鼻涙管閉塞症が多くみられます。
赤ちゃんの場合は、生後3ヵ月頃から目ヤニや涙がたまる・こぼれるなどの症状が出始めます。成人の場合は高齢者に見られます。
治療は、ブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を開通し、必要なときには更に柔らかいシリコンチューブを留置するといった負担の少ない治療で改善できます。
気になる症状がある方は、一度眼科医にご相談下さい。

「花粉症」目の症状
これからの時期、スギやヒノキの花粉が主な原因で毎年多くの方が花粉症を発症します。
目は直接外界に接しているため花粉が入りやすく、少量の花粉でも、目や瞼のかゆみ・腫れ・充血・目の異物感・目が潤む・涙がでるなど不快なアレルギー症状が強く出現します。
こうなってくると、つい目や瞼をこすってしまい、こすることで症状がさらに悪化し、白目がゼリー様に腫れる結膜浮腫を起こすことも、しばしばあります。


*花粉症のあるコンタクトレンズ使用者の方
CLに花粉が付着することで少しの花粉でもアレルギー反応が出現しやすく、また、CLが汚れやすくなることで、更にアレルギー症状が強くなる傾向があります。アレルギー性結膜炎の症状がある場合、CL中止することが望ましいです。しかしながら、症状が軽微な場合に、生活上CLがどうしても必要な方に関しては、・コンタクトレンズを装着する時間をなるだけ短くする。・毎日のCLのケアは、こすり洗いと十分なすすぎをしっかり行うことです。


*花粉症のある小児の場合
小児は、大人と違い屋外で過ごす時間も多い上に、目の痒みも我慢することは難しく、ついつい目をこすってしまい驚くほど瞼が腫れ、充血するなど症状が悪化してしまうことが多いです。
毎年花粉症がある場合は、症状が現れる前から予防的に抗アレルギー薬の点眼や内服を行うと症状の軽減につながります。


また、花粉症を発症した場合には、症状が軽いうちに治療を開始することをお勧めいたします。


花粉症は花粉を防御するのが一番ですが、実際には完全に防御することは難しいので、上手に目薬を使ってこのつらい季節を乗り越えましょう。

「角膜新生血管」
角膜は目の中を流れる房水や涙液から栄養を吸収し酸素を補っているので、角膜自体には本来血管はありません。この角膜に病的に血管が侵入したのが、角膜新生血管です。原因として、感染や外傷、コンタクトレンズの装用、免疫疾患、ぶどう膜炎や緑内障などの眼疾患があります。これらの症状が一定期間持続し、角膜の炎症や低酸素状態が誘引となり発生します。
新生血管が出来ると、充血が強くなったりしますが、初期の場合は無症状です。但し、深部まで新生血管が入り込むと視力にも影響し、進行すると角膜移植が必要になる場合もあります。
最近では、コンタクトレンズの使用が広く普及していますが、装用時間やお手入れを正しく行えていない方に、この病気が増えています。コンタクトレンズを使用されている方は、取り扱い方法を十分守り、眼科医での定期検査が大切です。

高血圧と目の病気
血庄が高い状態が続くと、血管への負担が大きくなり、さまざまな合併症を引き起こし、目の病気も併発することもあります。
眼球の中には、神経の膜で構成される網膜という光を感じるための組織があります。
網膜には動脈と静脈が網目のように走っており、網膜に栄養を供給する役割を果たしています。
これらの網膜動脈・網膜静脈が高血圧などの原因で、血管が閉塞したり、裂けてしまうことがあります。
網膜動脈が影響を受けた場合は、急激に発症し突然の片眼、まれに両眼の高度視力低下を生じます(網膜中心動脈閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症)。
また、網膜静脈が影響を受けた場合は、場所によっては初期の自覚症状が無い場合もありますが、目のかすみや視力低下が起こり、網膜の中心部の黄斑に影響を与えると 急激な視力低下を生じ(網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症)、眼底出血につながります。
このような病気を防ぐには、日頃の血圧のコントロールや生活習慣に気をつけていかなければいけません。
目は直接血管を観察できる唯一の場所です。
高血圧や生活習慣病と診断を受けられた方は、眼科専門医で定期的に目の健診を受けられてはいかがでしょうか?

加齢性白内障の手術時期について
「目がかすむ」「眼鏡を替えても見えにくい」「まぶしい」などの自覚症状で眼科を受診し、白内障と診断された場合、その後の治療方針に悩まれる方がいらっしやいます。
白内障の治療は、経過観察、点眼処方、手術療法のいずれかになると思います。
加齢性白内障は老化によって視力低下が進行する疾患です。
老化に対する治療薬はないため、点眼を使用していても症状の進行は止まりません。
そこで手術の時期に悩むこととなります。
遅くなればなるほど白内障は進行するため水晶体が固くなり、手術はより難しくなります。
では、いつが手術を受けるのによい時期でしょうか。
それは生活スタイルとも関係します。
運転や仕事などで視力を特に必要とする方は、少しでも視力に不安を感じた際には手術を決心されてはどうでしょう。
白内障と診断されたら、それぞれの生活の中で自分が不自由に感じたときが、手術の適正時期と考えてもいいのかもしれません。
もちろん白内障以外の病気が目にあってはいけませんので、かかりつけの眼科医と自分に合った手術時期をよく相談しましょう。

眼瞼下垂
眼瞼下垂 (がんけんかすい) とは、上まぶたを持ち上げる力が低下し、上まぶたが正常位置(角膜の上縁より1~2ミリ下)より下がっている状態です。
そうなると、黒目にまぶたが掛かり、正面が見づらく日常生活に支障が出てきます。
よくある自覚症状は、「正面を見るときに、眉毛を上げることで額にしわができる、顎が上がっている」「目線より上が見づらい」「黒目が半分くらい隠れている」「目を開けているのがつらい」「まぶたが重い」などがあります。
眼瞼下垂は、先天性と後天性に分けられます。
後天性の場合、加齢とともにまぶたを持ち上げる筋力の低下や、皮膚のたるみで生じることが多いのですが、一部には脳動脈瘤や脳梗塞など、その他、脳の重大疾患の前駆症状や、動眼神経麻痺や重症筋無力症など、 原因疾患の一症状の可能性もありますので注意が必要です。
治療としては、まず原因疾患を特定し、治療を行うことが大切です。
また、内科的疾患以外の眼瞼下垂に関しては、日帰り手術などで改善することができます。
気になる症状がある場合は、眼科医にご相談ください。

40歳からの見え方
老眼は40歳くらいから始まる目の老化で水晶体のピント合わせ(調整力)が弱まることで近いところが見えにくくなります。
本ヤ新聞の字がほやける、少し離すと見やすくなるなどの症状が現れます。
「近視の人は、老眼にならない」とよくいわれますが、これは誤りです。
近視の方はもともと近くに焦点が合っているため自覚しにくいですが、近視用の眼鏡やコンタクトレンズを装用していると、手元が見えにくくなるなど同様の症状が現れます。
眼鏡を掛けたことのなかった遠視の方は、老眼の症状をより早く自覚することが多いようです。
無理をしていると目の奥の痛み・眼疲労・頭痛・肩コリ・叶き気なと全身症状が現れますが、眼鏡やコンタクトレンズを合わせることで改善します。
眼鏡には近用・中用・遠用・多焦点レンズのもの、コンタクトレンズにも遠近両用のものなとがあり、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
「また老眼なんて年齢じゃない」と抵抗のある方も多いと思いますが、無理をして我慢せずに、まず眼科医にご相談ください。

翼状片
翼状片は、白目の表面を覆っている半透明の結膜が、目頭の方から角膜(黒目)へ三角形状にかぶさるように入り込んでくる目の病気です。
初期症状は、充血や目がゴロゴロするなどの異物感があります。
症状が進むと角膜侵入によって角膜がゆがみ乱視が出る、さらに角膜中心部まで翼状片が延びると視力低下が起こります。
はっきりとした原因は不明ですが高齢者に多く発生し、紫外線を浴びる機会の多い人やコンタクトレンズ使用者などが翼状片になりやすいようです。
治療としては、点眼治療と手術があります。
目の充血や異物感が強い場合は点眼治療を行います。
ただし、点眼治療では翼状片の減退は望めません。
視力に影響がある場合や見た目が気になる方などは、手術で角膜に侵入した異状片を取り除きます。
この手術は日帰りで行えます。
ただし、翼状片は再発率が高く年齢が若い方ほど再発のリスクは高い傾向があります。
このような症状がある場合は、お近くの眼科専門医へご相談ください。

緑内障
現在、日本人の40歳以上で20人に1人が緑内障といわれています。そして、日本での中途失明の原因において上位を占めています。これ程多い疾患にも係わらず、実際に治療を受けている人は2割程度で、残り8割の人は緑内障が未発見、未治療のまま放置されている現状です。
緑内障には、さまざまなタイプがありますが、いずれも視神経(見たものを脳へ送るための神経)乳頭が眼圧(眼球内の圧力)や血流によって障害を受け、視野(見える範囲)が欠けていく病気です。
症状は、視野が狭くなることが一般的ですが、初期の段階では視野障害があっても自覚がないことがほとんどで、症状がかなり進行するまで気づかないものです。症状が進行した場合、視力低下、広範囲の視野障害から失明に至る場合もあります。また、急激な眼圧上昇を伴う場合には、眼痛・充血・目のかすみのほか、頭痛や吐き気などの症状もみられます。しかし、これらの症状があっても、眼精疲労や老眼だろうと思い込んでしまい、早期発見の妨げになっています。当院でも、別の病気で受診し発見されることが少なくありません。
緑内障は、早期発見・早期治療がとても大切です。一度障害を受けた視神経は残念ながら元に戻す方法はなく、病気の進行をくいとめることが一番の目標となります。どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もありますが、早期に緑内障を発見できれば、視神経の障害が軽いうちに手を打つことができ、失明に至る危険性はかなり低くなります。治療法としては、点眼治療・レーザー治療・手術がありますが、緑内障のタイプによって治療方法が異なります。緑内障と診断されたら、治療は根気よく続けることが大切です。
眼科では、眼圧検査・眼底検査・視野検査の他にも光干渉断層計(OCT)検査によって緑内障による視野欠損がでる前のごく初期の変化を発見できるようになりました。負担の少ない検査なので、40歳を過ぎたら眼科で検診を受けてみてはいかがでしょうか。

コンタクトレンズのケア
コンタクトレンズ(CL)には、いくつかの種類があります。ハードCL、ソフトCL、使い捨てCLなどです。さらに使い捨てCLにも種類があり、1日、1週間、2週間、1カ月と使用制限日数で分けられています。

そんな中、それぞれのCLに合ったケアはきちんとできているでしょうか?最近は誤ったCLのケアによるトラブルが増加しています。
CLのたんぱく汚れによるアレルギー性結膜炎、細菌性角膜炎や角膜真菌症などの感染症、角膜上皮障害などの結果、角膜混濁を生じて、深刻な眼障害を引き起こします。
忘れがちですが、CL保存ケlスの定期的な洗湯と保存液の交換を欠かさないようにしましょう。また、目にトラブルが起こりCLを中止することもありますので、度数の合った眼鏡を用意することをお勧めします。
コンタクトレンズは、日々の正しいケアと使用方法を守ることがとても大切です。気になる症状がある場合は、眼科専門医にご相談ください。

飛蚊症(ひぶんしょう)
明るい場所にいる時、視界に糸くずや虫のような浮遊物が飛んでいるように見えることはないでしょうか。形は、糸状・小さな粒・丸い輪・キラキラ光るもの・半透明の場合など人によって様々です。これらは、視線を変えても目をこすっても一緒に移動してくるので、気になって仕方ありません。このような症状を飛蚊症と呼びます。
飛蚊症は、主には加齢などの生理的変化によるものですが(生理的飛蚊症)、時に重大な病気の前駆症状で起こる場合があります。生理的飛蚊症の場合は、多少うっとうしいと感じますが心配はありません。しかし、突然浮遊物が見えるようになった、浮遊物の数が増えてきた、などの場合は注意が必要です。
飛蚊症を引き起こす重大な病気には、網膜裂孔(網膜に穴が開く)、網膜剥離(網膜が剥がれてしまった状態)や、硝子体出血(糖尿病や高血圧、外傷などが原因で硝子体の中に出血が起こった場合)、ぶどう膜炎などがあり、これらは早期治療が必要です。
飛蚊症は、重大な眼疾患が潜んでいる場合もありますので、症状を自覚したら、自己判断せずに眼科専門医で検査を受けることをお勧めします。

小児の近視について
小児の視力低下の場合、大人のように「見えにくい」とは訴えない場合が多いす。日常生活において、物を見る時に首や顔を傾たり目を細める・テレビや本を近くで見る・屋外へ出ると眩しがるなど様々な「見えにくい」サインをだしています。また学校の視力検診で視力低下を指摘され初めて気づく場合もあります。
小児の近視の場合は、生まれ持った眼球の大きさや屈折率の影響が原因となる「近視」と、眼球そのものには近視が無い状態で、目の筋肉が異常緊張を起こし、偽の近視を作り上げた状態の「仮性近視」があります。眼科専門医では、特殊な点眼を使用して屈折検査を行い、眼鏡が本当に必要かどうかの検査を行います。
また、小学校低学年までの視力低下には「斜視」「弱視」などの将来の視力に影響のある病気が潜んでいる場合もあります。ヒトの視力は7歳頃までに完成するため、斜視や弱視は早期発見・早期治療がとても重要です。
子どもの視力に不安を感じたら、早期に眼科専門医で検査を行い、適した治療と正しい眼鏡処方を行うことが大切です。

「めぼう」とは?
まぶたの分泌腺が細菌感染によって化膿性炎症を起こす症状を麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といい、高知では「めぼう」「ものもらい」などと呼ばれています。
症状は、初期は瞬きで痛みを感じ、まぶたの一部が赤くなります。炎症が進むと、まぶたが大きく腫れて痛みも強くなります。化膿が進むと、腫れた部分から膿が出る場合もあります。
アレルギー性結膜炎やコンタクトレンズ装用者に多くみられ、体質的によっては繰り返すことがあります。治療は、抗炎症点眼薬、抗菌点眼薬、眼軟膏を使用し、膿点が透けている場合は針で排膿を促します。
また、麦粒腫と似ていて識別を要するものに、霰粒腫(さんりゅうしゅ)があります。霰粒腫は無菌性肉芽腫性炎症で、まぶたに硬いしこりをつくります。 まれに発赤、疼痛が出現する場合もあり、麦粒腫と似た症状がでる場合もあります。霰粒腫の治療は手術での摘出が基本ですが、急性炎症期には、まず炎症を抑えてからの手術になります。
中年以降のまぶたのしこりや腫れの場合、悪性腫瘍との識別が必要となりますので、注意が必要です。
このような症状がある場合は、眼科専門医で適切な治療を受けるようにしましょう。

アレルギー性結膜炎「花粉症」
この時期、スギやヒノキの花粉が主な原因で毎年多くの方が花粉症を発症します。また、今まで発症したことがなくても、突然発症する方が年々増えています。
目は直接外界に接しているため花粉が入りやすく、これによりアレルギー反応が強くでてしまいます。
症状は、目や瞼のかゆみ・腫れ・充血・目がゴロゴロする・目が潤む・涙がでるなどです。こうなってくると、つい目や瞼をこすってしまいたくなりますが、こすることで症状はさらに悪化し、白目がゼリー様に腫れる結膜浮腫を起こす場合もあります。
また、コンタクトレンズ使用者の場合、アレルギー症状によってコンタクトレンズが汚れやすくなり、更にアレルギー症状が強くなる傾向があります。これらを放置しておくとその他の感染症の恐れもありますのでご注意下さい。
花粉性結膜炎の治療としては、主に抗アレルギー点眼薬や内服を使用します。症状が重い場合にはステロイド点眼薬を使う場合もありますが、副作用がみられることがあるので眼科専門医の指導のもとで注意して使用するようにしましょう。
治療中の注意点は、症状が軽くなったといって花粉症が治ったわけではありませんので、期間中は根気よく治療を続けるようにしましょう。コンタクトレンズ使用者の方は、コンタクトレンズを装用したまま点眼薬を点すと薬剤にレンズを痛める成分が入っていることがありますので、ご注意ください。
生活上の注意点
・外出時は、メガネ(隙間のないゴーグルタイプの物)やマスクで花粉を防御する。
・外出先から帰ってきた場合は洋服をよくはたいて、花粉を家の中に入れないことも大切です。
・手洗いやうがい洗顔などをする。
・お布団や洗濯物も、期間中はなるだけ外には干さないまた花粉をよく落として取り込むこと。
・規則正しい生活を心がけストレスをためないようにする。
花粉症は花粉を防御するのが一番ですが、実際には完全に防御することは難しいので、上手に目薬を使ってこのつらい季節を乗り越えましょう。

鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)
鼻涙管閉塞症とは、余った涙を鼻に排出する目と鼻をつなぐ細い管(鼻涙管)が何らかの原因で閉塞する状態です。
主な症状として、目が潤んだり涙が流れる。また、目ヤニが出る・目頭が赤く腫れる・瞼の周りがただれるなどの症状が続きます。
この病気は、新生児にみられる先天性と、成人にみられる後天性があります。成人の場合は副鼻腔炎や涙嚢炎(るいのうえん)等の炎症に起因する場合や、老化に伴い自然に閉塞するものがあります。新生児の場合は涙が多く作られ始める生後3ヶ月頃から発症します。
治療は、ブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を開通させます。成人の場合は、ブジーで閉塞部を開通した後、NSチューブといわれるシリコンのチューブを鼻涙管に留置する鼻涙管シリコンチューブ挿入術が一般的な治療法となっています。いずれもメスで切ったりせず、痛みなどの負担の少ない治療です。
何もないのに涙がでる、目やにが続くといった症状が続く方は、眼科専門医へご相談ください。

はやり目・プール熱
はやり目(流行性角結膜炎)とプール熱(咽頭結膜熱)は、アデノウイルス(型は異なる)によっておこる短期的・集団的に発生する非常に感染力の強い結膜炎です。
症状は、充血、まぶたの腫れ、目の痛み、涙や目やになどの症状が激しくあらわれます。潜伏期間は、約1週間~10日です。
プール熱は、はやり目と同じような経過をたどりますが目の症状ははやり目よりは比較的症状は軽いが、喉の痛みや高い発熱も伴います。
これらの治療としては、現在有効な抗ウイルス薬は開発されていないため、対症療法と感染予防を行うことが大切となってきます。また、これらの症状が治まってきた頃に、黒目(角膜)の表面に小さな点状の濁りが残り、視力に影響を与える場合がありますので、しっかりと治療を続けることが大事です。
これらの病気は、学校伝染病に指定されている感染力が非常に強いものです。主治医の指示に従い、家族や周りの人に感染させないよう予防することを心がけましょう。

中心性漿液性網脈絡膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいもうみゃくらくまくしょう)
このあまり聞きなれない中心性漿液性網脈絡膜症という病気は、中心性網膜炎とも呼ばれ、眼底の物を見る中心部に水がたまって浮腫を起こす病気です。働き盛りの中高年に多く片方の目に好発します。詳しい原因は不明ですが、心身のストレスや過労が誘引となっているといわれます。
症状は、軽度の視力低下や物を見た時に中心が暗く見える、色が薄く見える、ゆがんでみえる、小さく見えるなどがあります。
眼底中心部の腫れは数ヶ月~半年程で改善されることが多く、視力予後の良い疾患ですが、なかには視力低下などの症状が残る方もみられます。治療は、眼底中心にたまった水の吸収をよくするための循環改善薬などの内服薬での治療を行い経過観察します。しかしこの病気は、再発をすることもよくみられ、長期間網膜の浮腫が続く場合や、いつまでも視力が改善されない場合にはレーザー治療を行う場合もあります。
現代社会ではストレスは避けることは出来ませんが、この病気だけでなく心身の健康のために、リフレッシュの時間をもつことも大切ではないでしょうか。

子どもの視力低下
   「ゲームをすると目が悪くなりますか?」とよく聞かれます。結論から言うと、ゲームをする時間が多ければ多い程、目に負担がかかります。
   長時間近くを見ていると、目の調節を行う毛様体という部分にギュウッと力が入った状態が続くことになります。この状態が長く続くと、毛様体の調節緊張がおこり、偽の近視の状態「仮性近視」を引き起こします。仮性近視の場合は、すぐに眼鏡をかけるのではなく、目の緊張を取り除く目薬を使って経過観察をしていきます。但しこの場合も、目に負担のかかる生活習慣を改善していかなければ、頭痛や肩こりや学習に対する集中力の低下などの症状も引き起こす場合がありますので注意しなければいけません。
   また子どもの近視については、遺伝的要素もあります。これは、親と顔が似ているのと同じで、生まれ持った眼球の形や屈折率が影響する近視も似てくるということです。
   いずれにしても、小学校低学年までの視力低下には、「斜視」や「弱視」などの将来の視力に影響のある病気が潜んでいる場合もあります。これらは早期に発見し早期に治療を開始することがとても重要です。
   子どもの視力に不安を感じたら、眼科専門医で検査を行い、適した治療と正しい眼鏡処方を行うことが大切です。

花粉症「目のまわりの疾患」
   「さかまつげ」には睫毛内反と眼瞼内反の2つあります。睫毛内反は小児など先天性に多く見られ、まぶたの皮膚がまつげを押さえつけ、角膜を傷つける状態で一重まぶたの方に多く見られます。まつげが角膜に当たっていなくても、瞳孔にかかるまつげが視力低下の原因になるとの報告もあります。治療は通常、手術(上まぶたでは通糸・埋没法)で改善します。
   眼瞼内反は、まぶた自体が眼球側に湾曲している状態です。原因には、けいれん性、瘢痕性、老人性とあります。それぞれの治療は、けいれん性はボトックス注射、瘢痕性・老人性は手術で改善します。
   「まぶたの垂れ下がり」は眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩の二つに分けられます。眼瞼下垂は上まぶたを持ち上げる筋力の低下などで生じます。先天性が80%を占め、後天性では内科的疾患や痙攣性が原因のことも多く見られます。治療は先天性の場合は原因疾患の治療、けいれん性はボットックス治療となります。
   眼瞼皮膚弛緩は、加齢により皮膚がたるんでまぶたを乗り越えて生じます。治療は余分なたるみ・皮膚を切除する手術となります。
   「鼻涙管閉塞症」は目と鼻をつなぐ通り道が閉塞してします疾患です。赤ちゃんの場合は、生後3ヶ月ごろから目やにや涙がたまる、こぼれるなどの症状が出始めます。成人の場合は高齢者に見られます。
   治療はブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を開通します。さらに必要な場合には、柔らかいシリコンチューブを留置するといった負担の少ない治療で改善できます。


これらすべては、日帰り手術で行えますので、気になる症状がある場合には眼科専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

花粉症「目のアレルギー症状」
花粉症は、特定の花粉(アレルゲン)が原因で起こるアレルギー症状です。
目は涙でいつもぬれていて直接花粉が付着し易い為に、アレルギー反応が強く出ます。
症状は、目やまぶたのかゆみ・腫れ・充血・異物感・流涙等です。
つい目や瞼をこすってしまいたくなりますが、こすることで症状はさらに悪化し、白目(結膜)や黒目(角膜)に傷をつけ痛みや、白目がゼリー状に腫れる結膜浮腫を起こすこともあります。


治療は、主に抗アレルギー点眼薬や内服を使用します。症状が重い場合にはステロイド点眼薬を使う場合もありますが、副作用がみられることがあるので眼科専門医の指導のもとで注意して使用するようにしましょう。


目の花粉症状は、とても我慢しがたく外見上も充血やまぶたの腫れなどの症状で辛いものです。治療中は、症状が軽くなったといって花粉症が治ったわけではありませんので、花粉の飛散期間中は根気よく治療を続けるようにしましょう。


花粉症は花粉を防御するのが一番ですが、実際には完全に防御することは難しいので、上手に目薬を使ってこのつらい季節を乗り越えましょう。

鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)
鼻涙管閉塞症とは、余った涙を鼻に排出する目と鼻をつなぐ細い管(鼻涙管)が何らかの原因で閉塞する状態です。
主な症状として、悲しくないのに目が潤んだり涙が流れる。また、目ヤニが出る・目頭が赤く腫れる・瞼の周りがただれるなどの症状が続きます。
この病気は、新生児にみられる先天性と、成人にみられる後天性があります。成人の場合は副鼻腔炎や涙嚢炎(るいのうえん)等の炎症に起因する場合や、老化に伴い自然に閉塞するものがあります。新生児の場合は涙が多く作られ始める生後3ヶ月頃から発症します。
治療は、ブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を開通させます。成人の場合は、ブジーで閉塞部を開通した後、NSチューブといわれるシリコンのチューブを鼻涙管に留置する鼻涙管シリコンチューブ挿入術が一般的な治療法となっています。いずれもメスで切ったりせず、痛みなどの負担の少ない治療です。
何もないのに涙がでる、目やにが続くといった症状が続く方は、眼科専門医へご相談ください。く、年齢が若い方ほど再発のリスクは高い傾向があります。
このような症状がある場合は、お気軽にご相談下さい。

翼状片(よくじょうへん)
翼状片は、白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜が、目頭のほうから角膜(黒目)へ三角形状にかぶさるように入り込んでくる目の病気です。
初期症状は、充血や目がゴロゴロするなどの異物感があります。症状が進むと、角膜侵入によって角膜がゆがみ乱視が出る、 さらに角膜中心部まで翼状片がのびると視力低下が起こります。
はっきりとした原因は不明ですが、高齢者に多く発生し、紫外線を浴 びる機会の多い人やコンタクトレンズ使用者などが翼状片になりやすいようです。
治療としては、点眼治療と手術があります。目の充血や異物感が強い場合は点眼治療を 行います。ただし、点眼治療では翼状片の減退は望めません。視力に影響がある場合や見た目が気になる方などは、手術で角膜に侵入した翼状片を取り除きます。 この手術は、日帰りで行えます。ただし、翼状片は再発率が高く、年齢が若い方ほど再発のリスクは高い傾向があります。
このような症状がある場合は、お気軽にご相談下さい。

まぶたの垂れ下がり~眼瞼下垂(がんけんかすい)~
眼瞼下垂とは、上まぶたを持ち上げる力が低下し、上まぶたの正常位置(角膜の上縁より1~2㎜下)より下がっている状態です。 そうなると、黒目にまぶたがかかり、正面が見えにくく日常生活に支障がでてきます。


よくある自覚症状では、正面を見るときに、眉毛を上げることで額にしわができる、顎が上がっている。目線より上が見づらい。黒目が半分位かくれている。目を開けているのがつらい。まぶたが重い。などがあります。


眼瞼下垂は、先天性と後天性に分けられます。後天性の眼瞼下垂は、加齢とともにまぶたを持ち上げる筋力の低下や、皮膚のたるみで生じることが多いですが、一部には脳動脈瘤や脳梗塞 など、その他脳の重大疾患の前駆症状の場合や、動眼神経麻痺や重症筋無力症など、原因疾患の一症状の場合がありますので注意が必要です。


眼瞼下垂の治療としては、まず原因疾患を特定し、治療を行うことが大切です。また、内科的疾患以外の眼瞼下垂に関しては、日帰り手術などで改善することができます。


この様な症状がある場合は、お気軽にご相談下さい。

「目の紫外線障害」
この時期、海や川や山など、屋外で遊ぶ機会も多いですね。しかし、夏の紫外線は皮膚だけではなく、目にも悪影響を及ぼしてしまいます。
角膜(黒目)や結膜(白目)は強い紫外線を浴びると、細胞が傷つき炎症をおこします。 長時間屋外で活動した後に、目がゴロゴロする、目が痛い、充血する、などの症状がある場合は、紫外線による炎症の可能性があります。 紫外線での炎症も、ひどくなると急性角膜炎などを引き起こします。 また、紫外線が影響していると言われている病気では、角膜に結膜がかぶさってくる翼状片(よくじょうへん)や白内障などがあります。
これらの予防には、UVカットのはいっているサングラスや帽子や日傘などを使って目に入る紫外線量を少しでも減らしてあげることが大切です。 ただし、これらの対策をとっていた場合でも反射した紫外線が知らず知らずに目に影響を与える場合がありますので、ご注意ください。 夏の開放的な日差しの元で、思いっきり遊ぶことも楽しいですが、目にも紫外線での悪影響があることをご存じください。 症状がでた場合は、適切な治療を行う必要がありますので、眼科専門医にご相談ください。

「緑内障」
現在、40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障といわれ、日本人の失明原因の第一位です。 このように多い疾患にもかかわらず、実際に診断を受けて治療をしている方は緑内障の有病率の約1割程度で、残りの方は未発見、未治療のまま放置されているのは大変問題です。
 緑内障には、さまざまなタイプがありますが、いずれも眼圧(眼球内の圧力)や血流障害によって視神経(見たものを脳へ伝達する神経)が障害を受け、視野(見える範囲)が欠けていく病気です。 緑内障の症状は、視野が徐々に狭くなっていくことが一般的ですが、初期の段階では視力障害があっても全く自覚がないことがほとんどです。 視力低下、広範囲の視野欠損障害の自覚症状が出たころには、症状はかなり進行した状態なのです。 また、急激な眼圧上昇を伴う緑内障の場合には、激しい目の痛みや頭痛・充血・目のかすみ・吐き気などの症状も見られます。
 緑内障で最も重要なことは早期発見・早期治療です。一度障害を受けた視神経は残念ながら元に戻す方法はなく、病気の進行をくい止めるのが一番の目標となります。 緑内障の中には、どんなに手を尽くしても進行を止められない難治性の緑内障もありますが、最近の診断技術と治療の技術は格段に進歩していますので、 早期に発見し治療を開始することで、失明に至る危険性はかなり低くなります。
 治療法は、緑内障のタイプにより異なりますが、眼圧を下げる点眼治療・レーザー治療・手術があります。 緑内障と診断されたら、治療は根気よく続けることがとても大切です。
 眼科では、眼圧検査、眼底検査、視野検査、眼底三次元画像解析装置(OCT)など簡単な検査で診断できます。
 40歳をすぎたら、定期的に眼科専門医での検診をお勧めします。

「40歳代からの目の衰え」
 人間の目はカメラに例えると、高性能オートフォーカスなのですが、カメラと同様、ずっと新品の状態というわけにはいきません。  人間の目のレンズ(水晶体)も年齢とともに水晶体の弾力性が失われピントを調節する機能が衰えていきます。これが老眼です。  実際に目の調節力は、10歳代がピークでそれから徐々に低下しているのです。そして、40歳代から自覚症状が出始め、60歳代で老眼の進行が止まります  (これは、老眼が治るのではなく60歳代で老眼視力が安定するということです)。
 老眼の初期症状は、同じ距離の物を見ていると目が疲れる・目の奥が痛む・遠くから近くに視線を移すと一瞬かすんで見える・ひどくなると、慢性的な肩こり・頭痛・吐き気などのつらい眼精疲労の症状を引き起こします。
 これらの自覚症状が出始めたら、見えにくくなる前から眼鏡や遠近両用コンタクトレンズを使用すると、つらい症状を軽減することができます。誰もが必ず老眼にはなるものです。  おかしいな?と思ったら眼科専門医にご相談されてみてはいかがでしょうか。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」
 明るい場所にいるとき、視界に糸くずや虫のような浮遊物が飛んでいるように見えることはないでしょうか。形は、糸状・小さな粒・丸い輪・キラキラ光るもの・半透明の場合など人によってさまざまです。  これらは、視線を変えても目をこすっても一緒に移動してくるので、気になって仕方ありません。このような症状を飛蚊(ひぶん)症と呼びます。
 飛蚊症は、主に加齢などの生理的変化によるものですが(生理的飛蚊症)、時に重大な病気の前駆症状で起こる場合があります。  生理的飛蚊症の場合は、多少うっとうしいと感じますが心配はありません。しかし、突然浮遊物が見えるようになった、浮遊物の数が増えてきた、などの場合は注意が必要です。
 飛蚊症を引き起こす重大な病気には、網膜裂孔/もうまくれっこう(網膜に穴が開く)、網膜剥離/もうまくはくり(網膜がはがれてしまった状態)や、硝子体出血/しょうしたいしゅっけつ  (糖尿病や高血圧、外傷などが原因で硝子体の中に出血が起こった場合)、ぶどう膜炎などがあり、これらは早期治療が必要です。
 飛蚊症は、重大な眼疾患が潜んでいる場合もありますので、症状を自覚したら、自己判断せずに眼科専門医で検査を受けることをお勧めします。

「子どもの視力低下」
 子どもは視力が低下した場合、大人のようにすぐに「見えにくい」とは訴えません。しかし、首や顔を傾けて物を見る、屋外へ出るとまぶしがる、テレビや本を近くで見る、物を見るときに目を細めるなど、  見えないことによるさまざまな信号を送っています。また、学校の視力検診で視力低下を指摘されて初めて気付く場合もあります。  小児の近視の場合は、生まれ持った眼球の大きさや屈折率の影響が原因となる「近視」と、眼球そのものには近視がない状態で、目の筋肉が異常に緊張を起こし、  偽の近視を作り上げた状態の「仮性近視」があります。眼科専門医では特殊な点眼を使用して屈折検査を行い、眼鏡が本当に必要かどうかを検査します。
 小学校低学年までの視力低下には「斜視」や「弱視」など将来の視力に影響のある病気が潜んでいる場合もあります。  人の視力は9歳ごろまでに完成するため、斜視・弱視早期に発見し、早期に治療を開始することがとても重要です。  子どもの視力に不安を感じたら、早期に眼科専門医で検査を行い、適した治療と正しい眼鏡処方を行うことが大切です。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」
 明るい場所にいる時、視界に糸くずや虫のような浮遊物が飛んでいるように見えることはないでしょうか。形は、糸状・小さな粒・丸い輪・キラキラ光るもの・半透明の場合など人によって様々です。これらは、視線を変えても目をこすっても一緒に移動してくるので、気になって仕方ありません。このような症状を飛蚊症と呼びます。
 飛蚊症は、主には加齢などの生理的変化によるものですが(生理的飛蚊症)、時に重大な病気の前駆症状で起こる場合があります。生理的飛蚊症の場合は、多少うっとうしいと感じますが心配はありません。しかし、突然浮遊物が見えるようになった、浮遊物の数が増えてきた、などの場合は注意が必要です。
 飛蚊症を引き起こす重大な病気には、網膜裂孔(網膜に穴が開く)、網膜剥離(網膜が剥がれてしまった状態)や、硝子体出血(糖尿病や高血圧、外傷などが原因で硝子体の中に出血が起こった場合)、ぶどう膜炎などがあり、これらは早期治療が必要です。
 飛蚊症は、重大な眼疾患が潜んでいる場合もありますので、症状を自覚したら、自己判断せずに眼科専門医で検査を受けることをお勧めします。

「子どもの視力低下」
 子どもは視力が低下した場合、大人のようにすぐに「見えにくい」とは訴えません。しかし、首や顔を傾けて物を見る・屋外へ出ると眩しがる・テレビや本を近くで見る・物を見るときに目を細めるなど、見えないことによる様々な信号を送っています。また、学校の視力検診で視力低下を指摘されて、初めて気付く場合もあります。
 小児の近視の場合は、生まれ持った眼球の大きさや屈折率の影響が原因となる「近視」と、眼球そのものには近視が無い状態で、目の筋肉が異常緊張を起こし、偽の近視を作り上げた状態の「仮性近視」があります。眼科専門医では、特殊な点眼を使用して屈折検査を行い、眼鏡が本当に必要かどうかを検査します。
 小学校低学年までの視力低下には、「斜視」や「弱視」などの将来の視力に影響のある病気が潜んでいる場合もあります。ヒトの視力は9歳頃までに完成するため、斜視や弱視は早期に発見し早期に治療を開始することがとても重要です。
 子どもの視力に不安を感じたら、早期に眼科専門医で検査を行い、適した治療と正しい眼鏡処方を行うことが大切です。

「さかまつげ」
 さかまつげには、睫毛内反(しょうもうないはん)と眼瞼内反(がんけんないはん)があります。睫毛内反は小児など先天性に多く見られ、上眼瞼では一重まぶた、下眼瞼では上まぶたの皮膚が内側まで伸びて、目頭を覆った状態(内眼角贅皮)が原因で起こっているものが多く見らます。症状は、まつげが角膜や結膜に触れて傷をつけ、涙が出る、目やに、結膜の充血、目の痛みなどが恒常的にみられます。重症化すると視力低下の原因にもなります。治療は、成長とともに改善することもありますので、初期には抗生物質の点眼などの対症療法で経過をみますが、症状が続く場合には手術を行います。
 眼瞼内反は、まぶた自体が眼球側に湾曲している状態です。原因には、痙攣性、外傷性、老化による皮膚のたるみなどがあります。痙攣性はボトックス注射、その他は手術で改善します。
 まつげが目にあたって症状が続く場合は、眼科専門医にご相談下さい。

「コンタクトレンズの障害」
 コンタクトレンズ(以下CL)は、身近な高度管理医療機器です。大きく分類するとハード(以下HCL)とソフト(以下SCL)の2種類があります。装用感の良いSCLが発売されてからは、CL装用者は激増し、今では国民の10人に一人がCLを装用されていると推測されます。そして、使用者が増えるにつれて重大なCL障害も増えています。
*CLの特徴
 HCLの特徴は、異物感がある。はずれやすい。角膜より小さいので酸素透過性が良い。障害の初期に痛みなどの自覚症状があるので、重篤な角膜障害を生じにくい。角膜の乱視矯正によい。
 SCLの特徴は、装用感がよい。はずれにくい。角膜より大きいので酸素透過性がHCLより低下する。角膜障害に気付きにくく、自覚症状がでた場合は症状がかなり進行している。汚れやすい。角膜の乱視矯正が低い。耐久性に劣る。
 CL障害の原因は、最も多いのは角膜の酸素不足です。角膜は涙を介して空気中の酸素を取り入れることにより呼吸しています。これがCLで目を覆ってしまうことにより、角膜は酸素不足の状態に陥ってしまします。角膜が酸素不足になると、角膜は傷つきやすく感染症を起こしやすく、放置しておくと深刻な眼障害をひきおこします。
 これらのトラブルを減らすためには①装用時間を守る。②CLをつけたまま寝ない。③CLの使用期間の厳守。④CLの洗浄・保存を正しく行う。⑤眼科専門医のいる病院で定期検診を行う。この基本的な事を守ることが目のトラブルを減らすためにもとても大切なことです。
 コンタクトレンズは、日常生活を快適にかつ便利に過ごすための高度医療機器なので、正しい知識をもって、正しく使用しましょう。

「白内障」
 白内障とは、透明な水晶体が、さまざまな原因で水晶体の成分であるたんぱく質が変性し濁ってしまう状態です。
 白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢による加齢性白内障です。個人差はありますが、年を重ねるにつれて、水晶体は濁ってきます。最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症も増えています。その他、先天性の白内障や、目の怪我や他の病気の治療薬の副作用から白内障を起こす場合もあります。
 白内障は、視力低下、目のかすみ、まぶしく見える、ものが二重に見えるなど水晶体の濁り方はひとりひとり違うので、症状はさまざまです。
 いずれの白内障も、治療は日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせます。しかし、薬剤では症状の改善や視力を回復させることは出来ません。
 白内障が進行し、日常生活に不自由を感じるようになってきたら、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を入れる手術で視力を回復させることが出来ます。最近の白内障の手術は、手術方法の進歩、手術器械の進歩等により点眼麻酔で、痛みも少なく、短時間で終わるようになりました。
 現在では患者さんの全身状態や手術後の通院に問題なければ、日帰りで手術が行えます。手術後は感染予防の為、定期的な通院は必要です。また、眼内レンズには、ピントを合わせる調節力がないので、手術後に視力が回復し安定する時期に、自分の目にあった眼鏡をつくる必要があります。
 日常生活を送る上で、見え方に不自由を感じたら我慢しないで眼科専門医へご相談下さい。

「特発性視神経炎」
 視神経とは、眼球(網膜)で集められた外からの情報を脳に伝える大切な神経です。この視神経に原因不明の炎症が起こるのが特発性視神経炎です。
 20代~50代の方に多い疾患で、急激に片眼または両眼の視力低下が起こります。
 症状は、視力低下が生じる数日前もしくは同時に目を動かすと痛む。また、個人差はありますが目の後ろに痛みを感じる場合も多くあります。
 そして、物を見ようとするところが見えない(中心暗点型の症状)ことが多いですが、全体に霧がかかったような状態や、視野の一部からだんだんと見えにくくなることもあります。
 比較的改善率がよいものもありますが、中には多発性硬化症という視神経以外の脊髄や大脳の白質にも病変が及び軽快と悪化を繰り返すこともあります。
 一方、最近では、視神経炎の一部に自己抗体を作り、これまでの多発性硬化症などの概念とは異なる炎症を起こす型のものがあることも分かってきました。治療は、症状や原因などで異なりますが、通常は副腎皮質ステロイド薬の点滴やビタミン剤内服が用いられます。
 痛みを伴う視力低下には、この他にも様々な病気があります。気になることがあれば眼科専門医にご相談下さい。

「糖尿病網膜症」
 糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症のひとつで、我が国では成人の失明原因の上位となっています。
 網膜とは眼底にある薄い神経の膜で、ものを見るために大変重要な役割をしています。糖尿病を発症すると、この網膜に走る無数の細かい血管が少しずつ損傷を受け、変形したりつまったりします。
 糖尿病網膜症は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。中期になるとかすみなどの症状を自覚することが多いですが、自覚症状のない場合もあります。この段階での治療は、網膜光凝固術を行う必要があります。糖尿病網膜症が進行し重症化すると、飛蚊症や急激な視力低下、視野の欠損などの症状を自覚します(硝子体出血・網膜剥離)。この段階の治療には、手術が必要となりますが、一度ダメージを受けた網膜細胞はもとに戻ることがなく、血糖値の状態にかかわらず網膜症は進行します。特に年齢が若いほど進行は早く、注意が必要です。
 糖尿病を発症して数年から10年以上経過して発症するといわれていますが、かなり進行するまで自覚症状がない場合もあり、まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。糖尿病と診断をうけている場合は眼科専門医での目の定期健診を受けるようにしましょう。

「ドライアイ」
 ドライアイは、目を守る役割をする涙の減少や涙の質的な変化により眼障害を生じる疾患です。
 ドライアイになると、目が乾く、眼が重い、目がゴロゴロする、目が疲れるなどの症状があります。また、ドライアイが進行して角膜に傷がついてしまうと、目が痛い、刺激によって涙が止まらないなどの症状を生じます。
 ドライアイの原因には、仕事でPCを長時間使用する場合や細かい作業に集中してまばたきが少ない、高齢、睡眠不足、ストレス、シェーグレン症候群や甲状腺機能障害などの内科的疾患、薬の影響、コンタクトレンズなどさまざまです。
 治療は、軽度の場合は人工涙液点眼やヒアルロン酸点眼を行います。点眼治療で症状が残存する重症ドライアイでは、涙点プラグや涙点閉鎖を実施します。
 症状が長引く場合や強い症状がある場合は、眼の表面が傷ついて角膜感染症や視力低下を引き起こす危険があります。
 このように症状や原因が様々であるため、「ただの疲れ目」と自己判断せずに、眼科専門医にご相談されてはいかがでしょうか。
 *簡単ドライアイチェック→①10秒以上眼を開けていられない。②まばたきの回数が1分間に40回以上である。

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」
 眼瞼下垂とは、上まぶたを持ち上げる力が低下し、黒目(瞳孔)に一部もしくは大きくかかった状態です。その下がった上まぶたにより視線をさえぎられ正面が見えにくくなり、日常生活にも支障がでてきます。
 眼瞼下垂には先天性と後天性があります。先天性は、生まれつきの眼瞼挙筋の形成不全でおこります。後天性の眼瞼下垂は、脳動脈瘤による動眼神経麻痺や、脳梗塞、重症筋無力症などの全身疾患の合併症で生じることがあります。その他には、コンタクトレンズを長期間使用することで生じる場合や、加齢性の眼瞼皮膚弛緩によるものがよくあります。
 治療は、全身疾患がない場合は手術により改善できます。また、幼児の眼瞼下垂の場合は視力の発達を阻害されることもあり、早期治療が必要です。
 正面を見るときに、眉毛を上げることで額にしわができる、顎が上がっている。目線より上が見づらい。黒目が半分位かくれている。どれかひとつでも当てはまる症状がある場合は、眼科専門医にご相談下さい。

「眼精疲労」
 目を使うことにより眼精疲労を生じると、目の疲れ・痛み・かすみ、頭痛、吐き気、首・肩などの身体的症状、更にはイライラ・不安感などの精神的症状までも引き起こします。
 原因は、①眼疾患②全身疾患③生活環境的要因(仕事内容・生活習慣・ストレス)などが単一、もしくは複合的にあります。
 前述の症状がある場合、短期間で症状が改善される場合は眼疲労といわれ問題はありません。しかし、症状が続く眼精疲労は眼疲労と異なり、放置していても症状が重くなります。そこで、原因になっているものを確認し治療していく必要があります。
 例えば、近距離の作業時間が長い方、PCやTV画面を長時間見る方など、環境を変えることが難しい場合の方には、目の調節緊張を和らげる点眼薬を使用する。遠視や乱視のある方は、正しく眼鏡をあわせることで症状の改善につながります。
 眼精疲労の症状がある場合、眼疾患がかくれている場合もあります。症状が続く時は我慢せず、眼科専門医にご相談ください。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」
 視界にごみや虫のようなものが飛んでいるように見えることはないでしょうか。形状は色々で、糸状のものや、小さな粒や丸い輪、また半透明の場合もあります。これらは、視線を変えても目をこすっても一緒に移動してくるので、気になって仕方ありません。このような症状を飛蚊症と呼びます。これは主に加齢(老化)や生理的なもので問題のない場合がほとんど(生理的飛蚊症)ですが、時に重大な病気の前駆症状であることがあります。
 網膜に穴が開く(網膜裂孔)、網膜が剥がれてしまった状態(網膜剥離)や、糖尿病や高血圧、外傷などが原因で硝子体の中に出血が起こった場合(軽度硝子体出血)でも飛蚊症として自覚されることがあります。また、一部のぶどう膜炎では硝子体に濁りを生じるため、飛蚊症を引き起こします。このように、飛蚊症は治療を必要とする場合がありますので、症状を自覚したら、まずは眼科専門医による詳細な眼底検査を受けることをお勧めします。

「中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)」
 この病気は、中心性網膜炎とも呼ばれ、眼底の網膜の最も視力に関係する部分(黄斑)に水がたまって浮腫を起こす病気です。30~50歳の働き盛りの方に多くみられます。
 症状は、軽度の視力低下と物を見た時に中心が暗く見える(中心暗点)、色が薄く見える、物がゆがんでみえる(変視症)、実際よりも小さく見える(小視症)などを自覚します。
 詳しい原因は未だに不明ですが、心身のストレスや過労が誘引となっているといわれています。
 眼底中心部の浮腫は数ヶ月~半年程で改善されることが多く、視力予後の良い疾患ですが、再発を繰り返す場合が多いので注意が必要です。治療は、眼底中心にたまった水の吸収をよくするための循環改善薬など内服薬での治療を行い経過観察します。しかし、長期間網膜の浮腫が続く場合や、再発を繰り返す場合には、浮腫をおこしている部位が黄斑の中心部より離れていればレーザー治療を行うこともあります。
 特にこの時期は、新しい環境でストレスもたまります。規則正しい生活を心がけ心身の健康のために適度にリフレッシュされてみてはいかがでしょうか。

「学童期の近視について」
 学校などの視力検診で視力低下を指摘されたお子様も多いのではないでしょうか。今回は学童期の近視についてお話したいと思います。
 視力低下を指摘された子どもの場合、自分で無意識に見え方を調節してしまい、本来の度数より強い近視度数が出ることがあります(仮性近視)。そのため、眼科では必要に応じて特殊な点眼を使用した屈折検査を行うことで、眼鏡が本当に必要かどうかを正しく判断します。
 眼鏡が必要な場合は、眼鏡処方箋を発行します。眼鏡の度数は、体の成長とともに変化しますので、定期的に度数チェックを行うことが大切です。
「眼鏡をかけると近視がすすむ?」と言われる方がいますが、そのようなことはありません。近視の場合、眼鏡を掛け始める時期と成長とともに近視度数がすすんでいく時期が重なるために、誤解される方が多いようです。  子どもの視力低下を指摘された場合、斜視、弱視など目の病気が隠れていることもありますので、眼科専門医を受診されることをお勧めします。

「白内障」
 人の目の中で、カメラのレンズにあたる部分を水晶体と呼びますが、この水晶体がさまざまな原因で濁ってしまう病気が白内障です。
 白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢による加齢性白内障です。個人差はありますが、年を重ねるにつれて、水晶体は濁ってきます。最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症から(併発白内障)、若い人の発症も増えています。その他には、先天性の白内障や目の怪我、他の病気の治療薬の副作用から白内障を起こす場合もあります。
 白内障は、視力低下、目のかすみ、まぶしく見える、ものが二重に見えるなど水晶体の濁り方はひとりひとり違うので、症状もさまざまです。
 いずれの白内障も、治療は日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせます。しかし、薬剤では症状を改善したり、視力を回復させることは出来ません。
 白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようになってきたら、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を入れる手術で視力を回復させることが出来ます。最近の白内障の手術は、手術方法の進歩、手術器械の進歩等により点眼麻酔で、痛みも少なく、短時間で終わるようになりました。
 現在では患者さんの全身状態や手術後の通院に問題なければ、日帰りで手術が行えます。手術後は感染予防の為、定期的な通院は必要です。また、眼内レンズには、ピントを合わせる調節力がないので、手術後に視力が回復し安定する時期に、自分の目にあった眼鏡をつくる必要があります。
 日常生活を送る上で、見え方に不自由を感じたら我慢しないで眼科専門医へご相談下さい。

「季節性アレルギー性結膜炎(花粉性結膜炎)」
 季節性アレルギー性結膜炎は、特定の花粉などが原因で起こる目のアレルギーです。この時期は、スギやヒノキの花粉が主な原因で、毎年はじめて発症する人が増えています。特に目(粘膜)は外気にさらされていて、花粉の影響を直接受けてしまいます。
 症状は、目や瞼のかゆみ・腫れ・充血・異物感・流涙等です。こうなってくると、つい目や瞼をこすってしまいたくなりますが、こすることで症状はさらに悪化し、白目がゼリー様に腫れる結膜浮腫を起こすこともあります。
 治療としては、主に抗アレルギー点眼薬や内服を使用します。症状が重い場合にはステロイド点眼薬を使う場合もありますが、副作用がみられることがあるので眼科専門医の指導のもとで注意して使用するようにしましょう。
 花粉症は花粉を防御するのが一番ですが完全に防御することは難しく、発症してしまった場合は、上手に目薬を使ってこのつらい季節を乗り越えましょう。

「コンタクトレンズのトラブル」
 コンタクトレンズ(以下CL)は、日常生活を快適に便利に過ごすための医療器具ですが、直接大切な目に使用するため間違った使い方やケアを怠ると取り返しのつかないトラブルにつながります。
 CLを使い慣れてくると①装用時間が長くなる。②使用期間をオーバーして使う。③洗浄を丁寧にしなくなる。④CL扱う場合の手を石鹸で洗わない。基本的な事を忘れてこれらの誤った使用を続けると、角膜の酸素不足を起こし角膜血管新生や角膜内皮の減少、CLに付着した汚れによるアレルギー性結膜炎、細菌性角膜炎や角膜真菌症などの感染症、角膜上皮障害などの結果、角膜混濁を生じて、将来の視力に影響を与える重大なトラブルを引き起こしかねません。
 CLによって目に痛みや充血を感じても「これぐらいなら大丈夫」と我慢すると、進行の早い感染症などは取り返しがつかない場合があります。自覚症状が出た場合は、すぐにCLの使用を中止して受診することが大切です。また、初期の段階では自覚症状の出にくいトラブルもありますので、定期的に検査を受ける習慣をつけていただきたいと思います。

「高血圧と目の病気」
 血圧が高い状態が続くと、血管への負担が大きくなり、様々な合併症を引き起こしますが、目の病気を併発する事も多くみられます。
 眼球の中には、神経の膜で構成される網膜という光を感じるための組織があります。網膜には動脈と静脈が網目のように走っており、網膜に栄養を供給する役割を果たしています。これらの、網膜動脈、網膜静脈が高血圧などの原因で、血管が閉塞したり裂れたりまた血栓がつまってしまうことがあります。
 網膜動脈が影響をうけた場合は、急激に発症し、突然の片眼まれに両眼の高度視力低下を生じます(網膜中心動脈閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症)。また、網膜静脈が影響を受けた場合は、場所によっては初期の自覚症状が無い場合がありますが、目のかすみや視力低下が起こり、網膜の中心部の黄斑に影響を与えると急激な視力低下を生じ(網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症)眼底出血につながります。
 このような病気を防ぐには、日頃の血圧のコントロールや生活習慣の改善などに気をつけていかなければいけません。
 目は直接血管を観察できる唯一の場所です。高血圧や生活習慣病と診断を受けられた方は、眼科専門医で定期的に目の検診を受けられてはいかがでしょうか。

「緑内障」
 緑内障は、視神経(見たものを脳へ送るための神経)乳頭が眼圧(眼球内の圧力)や血流によって障害を受け、視野(見える範囲)が欠けていく病気です。
 症状は、視野が狭くなることが一般的ですが、初期の段階では視野障害があっても全く自覚がないことがほとんどで、かなり症状が進行するまで気づかないものです。症状が進行した場合、視力低下、広範囲の視野障害から失明に至る場合もあります。また、急激な眼圧上昇を伴う場合には、眼痛・充血・目のかすみのほか、頭痛や吐き気などの症状もみられます。しかし、これらの症状があっても、眼精疲労や老眼だろうと思い込んでしまい、早期発見の妨げになっています。
 治療としては、点眼治療・レーザー治療・手術がありますが、緑内障のタイプによって治療方法が異なります。但し、一度障害を受けた視神経は残念ながら元に戻す方法はなく、病気の進行をくいとめることが一番の目標となります。緑内障と診断されたら、治療は根気よく続けることが大切です。
 緑内障は早期発見・治療がとても大事です。40歳を過ぎたら、定期的に眼科専門医で検診を受けてみてはいかがでしょうか。

「コンタクトレンズについて」
 コンタクトレンズ(以下CL)には、いくつかの種類があります。ハードCL、ソフトCL、使い捨てCLなどです。更に使い捨てCLにも種類があり、1日、1週間、2週間、1ヶ月と使用制限日数で分けられています。そんな中、それぞれのCLにあったケアはきちんと出来ているでしょうか?CLによっては使用できない洗浄液がありますが、最近は誤ったケアによるトラブルが増加しています。CLの蛋白汚れによるアレルギー性結膜炎、細菌性角膜炎や角膜真菌症などの感染症、角膜上皮障害などの結果、角膜混濁を生じて、視力が二度と戻らなくなる事もあります。また忘れがちですが、CL保存ケースの定期的な洗浄と保存液の交換を欠かさないようにしましょう。
 安全・快適に使用するには、眼科専門医のいる眼科で自分の目にあったコンタクトレンズの処方と正しい使用法を指導してもらう事と、定期健診で異常の早期発見・治療が大事です。

「視野欠損(しやけっそん)・視野狭窄(しやきょうさく)」
 視野とは、片方の目で正面を見たとき、上下・左右の広い景色が目に入りますが、これを視野といい、目を動かさないでみることのできる範囲です。
 それが狭くなる、一部が欠けるといった状態を視野狭窄・視野欠損と呼びます。これらの症状がみられる疾患は、脳梗塞、脳腫瘍、脳内出血といった脳疾患や、眼底出血、網膜剥離、眼内腫瘍、緑内障の眼疾患など様々な原因があります。
 片方の視野が狭窄・欠損した場合、正常に見える目で見にくさを補うので、気付きにくいのですが、脳疾患や急性の眼疾患などは症状が急速に進行するので気付いた場合はなるだけ早く受診下さい。
 初期に自覚症状がないのは緑内障です。緑内障は、ゆっくりと周囲から視野が狭くなり進行していく慢性の疾患です。年齢と共に増加する疾患ですので、早期発見・治療が重要です。
 普段の生活で、視力は変わらないのによく物にぶつかる、つまずきやすくなったなどを感じたら、視野検査などの精査を眼科専門医で受けられてはいかがでしょう。

「はやり目(流行性角結膜炎)」
 はやり目は、アデノウイルスによっておこる短期的・集団的に発生する非常に感染力の強い結膜炎です。
 はやり目は、充血、まぶたの腫れ、目の痛み、涙や目やになどの症状が激しくあらわれます。潜伏期間は、約1週間です。
 また、プール熱(咽頭結膜熱)では目に同じような症状がおこり、さらに喉の痛みを伴い発熱も生じます。
治療法
 現在有効な抗ウイルス薬は開発されていないため、対処療法と感染予防を行うことが大切です。十分な休養をとり、他の感染をおこさないために抗菌点眼薬や、炎症をおさえる点眼薬を使用します。
 症状がおさまってきた頃に黒目(角膜)の表面に小さな点状の濁りが出ることがあります。視力に影響を与える場合がありますので、しっかりと治療を続けることが大事です。
プールでの注意
 *長時間泳ぐ時はゴーグルを使う。
 *水からあがったら手洗い、うがいをしっかりする。
 *泳ぎ終わった後、人工涙液の点眼で目を洗う。(プールサイドには薬の変質、汚染のおそれがあるので持って行かないで下さい)
 *充血や目やにがある時はプールに入らない。

「白内障」
 白内障とは、透明な水晶体が、さまざまな原因で水晶体の成分であるたんぱく質が変性し濁ってしまう状態です。
 白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢による加齢性白内障です。個人差はありますが、年を重ねるにつれて、水晶体は濁ってきます。最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症も増えています。その他、先天性の白内障や、目の怪我や他の病気の治療薬の副作用から白内障を起こす場合もあります。  白内障は、視力低下、目のかすみ、まぶしく見える、ものが二重に見えるなど水晶体の濁り方はひとりひとり違うので、症状はさまざまです。
 いずれの白内障も、治療は日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせます。しかし、薬剤では症状を改善したり、視力を回復させることは出来ません。
 白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようになってきたら、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を入れる手術で視力を回復させることが出来ます。最近の白内障の手術は、手術方法の進歩、手術器械の進歩等により点眼麻酔で、痛みも少なく、短時間で終わるようになりました。
 現在では患者さんの全身状態や手術後の通院に問題なければ、日帰りで手術が行えます。手術後は感染予防の為、定期的な通院は必要です。また、眼内レンズには、ピントを合わせる調節力がないので、手術後に視力が回復し安定する時期に、自分の目にあった眼鏡をつくる必要があります。
 日常生活を送る上で、見え方に不自由を感じたら我慢しないで眼科専門医へご相談下さい。

「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」
 片側の顔面に起こるものは片側顔面痙攣、両側の瞼の周囲に起こるものを眼瞼痙攣といいます。
 症状は様々で、目や口の周囲が小刻みに痙攣する・突然自分の意思とは関係なく目が開けられない・涙が流れる・痛みを伴う・逆にドライアイの症状が出るといったように様々な症状があります。このような症状は器質的疾患(脳の腫瘍や動脈瘤など)がある場合にも出現しますので注意が必要です。器質的疾患の無い場合は、精神的なストレスなどが誘因になることが多いと言われています。  以前は簡便な治療法がなかったのですが、現在はボトックス治療という日帰りで行える有効な治療があります。これは、ボツリヌス毒素を薄めたものを痙攣の生じている部位に直接注射して、痙攣を末梢でとめる治療法です。但し、効果は永久ではなく、半年毎に繰り返す必要があります。
 気になる方は、専門医にご相談下さい。
 *ボトックス治療はボツリヌス毒素施用免許をもった医師しか行えませんので、ご注意下さい。

「中心性漿液性網脈絡膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいもうみゃくらくまくしょう」
 最近、見えなくもないが疲れたせいか目がかすむと思い、ある日片目で見て初めて左右の見え方に違いがあることに気づくことがあります。そのような訴えで受診される方の中に、中心性漿液性網脈絡膜症を発症していることがあります。
 このあまり聞きなれない中心性漿液性網脈絡膜症という病気は、中心性網膜炎とも呼ばれ、眼底の網膜・脈絡膜という部分の特に物を見る中心部に水がたまって浮腫を起こす病気です。働き盛りの中高年に多く片方の目に好発します。詳しい原因は不明ですが、心身のストレスや過労が誘引となっているといわれます。  症状は、軽度の視力低下や物を見た時に中心が暗く見える、色が薄く見える、ゆがんでみえる、小さく見えるなどがあります。
 眼底中心部の腫れは数ヶ月~半年程で改善されることが多く、視力予後の良い疾患ですが、中には視力低下などの症状が残る方もみられます。治療は、眼底中心にたまった水の吸収をよくするための循環改善薬などの内服薬での治療を行い経過観察します。しかしこの病気は、再発をすることもよくみられ、長期間網膜の浮腫が続く場合や、いつまでも視力が改善されない場合にはレーザー治療を行う場合もあります。
 現代社会ではストレスは避けることは出来ませんが、この病気だけでなく心身の健康のために、リフレッシュの時間をもつことも大切ではないでしょうか。

「学童期の近視について」
 視力低下を指摘された子どもの場合、自分で無意識に見え方を調節してしまい、本来の度数より強い近視度数が出ることがあります(仮性近視)。そのため、眼科では必要に応じて特殊な点眼を使用した屈折検査を行うことで、眼鏡が本当に必要かどうかを正しく判断します。
 眼鏡が必要な場合は、眼鏡処方箋を発行します。眼鏡の度数は、体の成長とともに変化しますので、定期的に度数チェックを行うことが大切です。
「眼鏡をかけると近視がすすむ?」と言われる方がいますが、そのようなことはありません。近視の場合、眼鏡を掛け始める時期と成長とともに近視度数がすすんでいく時期が重なるために、誤解される方が多いようです。
 子どもの視力低下を指摘された場合、斜視、弱視など目の病気が隠れていることもありますので、眼科専門医を受診されてみてはいかがでしょうか。

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」
 眼瞼下垂とは、上まぶたの持ち上げる力が低下し、正常位置(角膜上縁1~2mm下)より下がっている状態を言います。それにより、瞳孔に一部もしくは大きくかかった上まぶたにより、視線をさえぎられ、正面が見えにくくなり、日常生活にも支障がでてきます。
 眼瞼下垂には先天性と後天性、また加齢性の眼瞼皮膚弛緩によるものがよくあります。
 先天性の場合には、新生児期や乳児期の写真をみることが診断の証拠になります。
 後天性の眼瞼下垂では、脳動脈瘤による動眼神経麻痺でもみられるように、重要な原因疾患の一症状の場合があります。
 その他にコンタクトレンズを長期間使用することで生じることもあります。
 これら後天性眼瞼下垂は原因疾患をしっかり特定し、治療することが重要です。
 また、内科的疾患以外の眼瞼下垂は、手術により改善することが可能です。
 正面を見るときに、眉毛を上げることで額にしわができる、顎が上がっている。目線より上が見づらい。黒目が半分位かくれている。など一つでも当てはまる症状がある場合は眼科専門医にご相談下さい。

「コンタクトレンズについて」
 最近はコンタクトレンズを使う人が増加し、以前に比べ、使う人の低年齢化もみられます。
 しかし同時にコンタクトレンズは目に直接触れる身近な医療機器という意識が薄れ、目のトラブルも急増しています。
 目に違和感を持ちながら使用し続けると、角膜感染症などを生じ、失明もしかねません。
 便利な反面、間違った使い方をすると危険なものであるのです。そのため厚生労働省は薬事法を改正し、コンタクトレンズを心臓ペースメーカーと同じ高度管理医療機器に認定しました。
 安全快適にしようするには、眼科専門医のいる眼科で字便のめにあったコンタクトレンズを正しく処方してもらい、正しく使用することと、定期健診で異常の早期発見、治療が大切です。
 視力改善のためのコンタクトレンズでの視力低下は避けたいですね。

「鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)」
 鼻涙管閉塞症とは、余った涙を鼻に排出する目と鼻をつなぐ細い管(鼻涙管)が何らかの原因で閉塞する状態です。
 主な症状として、悲しくないのに目が潤んだり涙が流れる。また、目ヤニが出る・目頭が赤く腫れる・瞼の周りがただれるなどの症状が続きます。
 この病気は、新生児にみられる先天性と、成人にみられる後天性があります。成人の場合は涙嚢炎等の炎症に起因する場合や老化に伴い自然に閉塞するものがあります。新生児の場合は涙が多く作られ始める生後3ヶ月より症状が出現します。
 治療は先天性の場合、ブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を治療することでほぼ完治が得られます。成人の場合は、ブジーで閉塞部を開通した後、NSチューブといわれるシリコンのチューブを鼻涙管に留置する鼻涙管シリコンチューブ挿入術が一般的な治療法となっています。いずれもメスで切ったりせず、痛みなどの負担の少ない治療です。  何もないのに涙がでる、目やにが続くといった症状が続く方は、眼科専門医へご相談ください。

「誰もがなる“老眼”」
 老眼はまだまだ関係ないと思っている方も多いかと思いますが、実際には40歳前後から始まる目の老化で、水晶体のピント合わせ(調節力)が弱まることで、近いところが見えにくくなります。
 老眼になると、本や新聞の字がぼやける、少し離すと見やすくなるなどの症状が現れます。ただ、40歳代の方には、まだ老眼なんて・・・と我慢される方が多いですが、無理をしていると眼疲労・頭痛・肩こり・吐き気など全身症状を伴う場合があります。
 近視の人は、老眼になりにくい?と聞かれますが、これは間違いです。近視の人はもともと近くにピントが合っているので、感じにくいだけです。近視用の眼鏡やコンタクトレンズを装用している方は、手元が見えにくくなるなど、同様の症状がでてきます。
 老眼にはまだ早い、まだそんな年齢じゃないと抵抗感がある方も多いですが、無理をして我慢せずに、まず眼科専門医にご相談ください。

「眼精疲労」
 目を使うことにより眼精疲労を生じると、目の疲れ・痛み・かすみ、頭痛、吐き気、首・肩などの身体的症状、更にはイライラ・不安感などの精神的症状までも引き起こします。
 原因は、①眼疾患②全身疾患③生活環境的要因(仕事内容・生活習慣・ストレス)などが単一、もしくは複合的にあります。
 前述の症状がある場合、短期間で症状が改善される場合は眼疲労といわれ問題はありません。しかし、症状が続く眼精疲労は眼疲労と異なり、放置していても症状が重くなります。そこで、原因になっているものを確認し治療していく必要があります。
 例えば、近距離の作業時間が長い方、PCやTV画面を長時間見る方など、環境を変えることが難しい場合の方には、目の調節緊張を和らげる点眼薬を使用する。遠視や乱視のある方は、正しく眼鏡をあわせることで症状の改善につながります。
 眼精疲労の症状がある場合、眼疾患がかくれている場合もあります。症状が続く時は我慢せず、眼科専門医にご相談ください。

「ドライアイ」
 ドライアイは、涙の減少や涙の質的な変化により眼障害を生じる疾患です。
 ドライアイになると、眼が乾きやすい、疲れる、眼が重い、何となく眼が不快な感じがするなどの症状があります。また、ドライアイが進行して角膜に傷がついてしまうと、刺激によって涙がこぼれるなどの症状を生じる場合もあります。
 ドライアイの主な原因には、高齢、睡眠不足、ストレス、シェーグレン症候群や甲状腺機能障害などの内科的疾患、薬の影響、まばたきが少ない、コンタクトレンズなどがあります。
 治療は、軽度の場合は人工涙液点眼やヒアルロン酸点眼を行い、点眼治療で症状が残存する重症ドライアイでは、涙点プラグや涙点閉鎖を実施します。
 症状が長引く場合や、強い症状がある場合は、眼の表面が傷ついて角膜感染症や視力低下を引き起こす危険がありますので、眼科専門医を受診されてみてはいかがでしょうか。
 *簡単ドライアイチェック→①10秒以上眼を開けていられない。②まばたきの回数が1分間に40回以上である。

「角膜新生血管」
 角膜は目の中を流れる房水や涙液から栄養を吸収し酸素を補っているので、角膜自体には本来血管はありません。この角膜に病的に血管が侵入したのが、角膜新生血管です。原因として、感染や外傷、コンタクトレンズの装用、免疫疾患、ぶどう膜炎や緑内障などの眼疾患があります。これらの症状が一定期間持続し、角膜の炎症や低酸素状態が誘引となり発生します。  新生血管が出来ると、充血が強くなったりしますが、初期の場合は無症状です。但し、深部まで新生血管が入り込むと視力にも影響し、進行すると角膜移植が必要になる場合もあります。
 最近では、コンタクトレンズの使用が広く普及していますが、装用時間やお手入れを正しく行えていない若い方に、この病気が増えています。コンタクトレンズを使用されている方は、取り扱い方法を十分守り、眼科専門医での定期検査が重要です。

「緑内障」
 現在、日本人の40歳以上で20人に1人が緑内障といわれています。そして、日本での中途失明の原因において上位を占めており、とても怖い病気です。これ程多い疾患にも係わらず、実際に治療を受けている人は2割程度で、残り8割の人は緑内障が未発見、未治療のまま放置されている現状は大変問題です。  緑内障には、さまざまなタイプがありますが、いずれも視神経(見たものを脳へ送るための神経)乳頭が眼圧(眼球内の圧力)や血流によって障害を受け、視野(見える範囲)が欠けていく病気です。
 症状は、視野が狭くなることが一般的ですが、初期の段階では視野障害があっても全く自覚がないことがほとんどで、かなり症状が進行するまで気づかないものです。症状が進行した場合、視力低下、広範囲の視野障害から失明に至る場合もあります。また、急激な眼圧上昇を伴う場合には、眼痛・充血・目のかすみのほか、頭痛や吐き気などの症状もみられます。しかし、これらの症状があっても、眼精疲労や老眼だろうと思い込んでしまい、早期発見の妨げになっています。当院でも、別の病気で受診し発見されることが少なくありません。
 緑内障では、最も重要なことは早期発見・早期治療です。一度障害を受けた視神経は残念ながら元に戻す方法はなく、病気の進行をくいとめることが一番の目標となります。どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もありますが、早期に緑内障を発見できれば、視神経の障害が軽いうちに手を打つことができ、失明に至る危険性はかなり低くなります。治療法としては、点眼治療・レーザー治療・手術がありますが、緑内障のタイプによって治療方法が異なります。緑内障と診断されたら、治療は根気よく続けることが大切です。
 眼科では、眼圧検査・眼底検査・視野検査など簡単な検査で診断が出来ます。40歳を過ぎたら、定期的に眼科専門医で検診を受けてみてはいかがでしょうか。

「子供の視力」
 学校などの視力検診で視力低下を指摘された子供達も多いのではないでしょうか。今回は学童期の近視についてお話したいと思います。
 子供の場合、自分で見え方を調節してしまい、本当の度数より強い近視度数が出ることがあります(仮性近視)。そのため、眼科で必要に応じて特殊な点眼を使用した屈折検査を行うことで、眼鏡が本当に必要か正しく判断することが大事です。眼鏡が必要な場合には眼鏡処方せんを発行します。体の成長と共に子供の眼鏡の度数は変化しますので、定期的に眼科での度数チェックを行うことも大事です。
「眼鏡をかけると近視がすすむ?」と言われる方がいますが、これは全く関係ありません。近視の場合、眼鏡を掛け始める時期と成長と共に近視度数がすすんでいく時期とが重なるために、誤解される方が多いようです。
 子供の視力低下を指摘された場合、弱視など目の病気が隠れていることもあるので、眼科専門医を受診されてみてはいかがでしょうか。

「鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)」
 鼻涙管閉塞症とは、余った涙を鼻に排出する目と鼻をつなぐ細い管(鼻涙管)が何らかの原因で閉塞する状態です。この病気は、赤ちゃんにみられる先天性と、成人にみられる後天性があります。成人の場合は涙嚢炎等の炎症に起因する場合や老化に伴い自然に閉塞するものがあります。赤ちゃんの場合は涙が多く作られ始める生後3ヶ月より症状が出現します。  主な症状として、悲しくないのに目がうるむ・涙が流れる。また目ヤニが出る・目頭が赤く腫れる・瞼の周りがただれるなどの症状が続きます。
 治療は先天性の場合、ブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を治療することでほぼ完治が得られます。成人の場合は、ブジーで閉塞部を開通した後、NSチューブといわれるシリコンのチューブを鼻涙管に留置する鼻涙管シリコンチューブ挿入術が一般的な治療法となっています。いずれもメスで切ったりせず、痛みなどの負担の少ない治療です。  何もないのに涙がでる、目やにが続くといった症状が続く方は、眼科専門医へご相談ください。

「目の外傷について(化学的外傷」
 目の外傷には、大きく分けて鋭的外傷、鈍的外傷、物理的外傷、火傷、化学的外傷などがあります。どれも大変なものですが、今回は化学的外傷についてお話します。
 酸、アルカリ、有毒ガスなど化学物質により眼瞼、結膜、角膜が損傷される事を化学的外傷と呼んでいます。日常的には酸とアルカリによる外傷がほとんどですが、この2つでは目に対する傷害の程度が異なります。硫酸、硝酸、塩酸などに代表される酸は、組織の表層を強く侵食します。しかし、組織内への浸透性は少ないため、眼表面の瘢痕形成(はんこんけいせい)が生じます。対してカセイソーダ、カセイカリ、アンモニアなどに代表されるアルカリは、表層のみならず組織内に浸透し深部に侵食していきます。すなわち酸に比べて、アルカリの方が後遺症を残す危険性が高くなります。
 まず、どの化学物質が目に飛入した際でも、救急処置として直ぐに流水で20分以上持続洗眼することが重要です。その後直ちにその化学物質の組成がわかる成分表などを持って眼科専門医を受診しましょう。

「季節性アレルギー性結膜炎(花粉性結膜炎)」
 季節性アレルギー性結膜炎は、特定の花粉などが原因で起こる目のアレルギーです。この時期は、スギやヒノキの花粉が主な原因で、毎年はじめて発症する人が増えています。
 症状は、目や瞼のかゆみ・腫れ・充血・異物感・流涙等です。こうなってくると、つい目や瞼をこすってしまいたくなりますが、こすることで症状はさらに悪化し、白目がゼリー様に腫れる結膜浮腫を起こすこともあります。
 治療としては、主に抗アレルギー点眼薬や内服を使用します。症状が重い場合にはステロイド点眼薬を使う場合もありますが、副作用がみられることがあるので眼科専門医の指導のもとで注意して使用するようにしましょう。
 花粉症は花粉を防御するのが一番ですが、実際には完全に防御することは難しいので、上手に目薬を使ってこのつらい季節を乗り越えましょう。

「目薬の正しい点し方」
 普段は何気なく使っている目薬の点し方について、お話してみたいと思います。
 1.手を石鹸で洗い清潔にし、キャップを開けるときは先端を触らないようにして下さい。
 2.両目を開けて天井を見るようにして下瞼を軽くひっぱり、目薬を目の真上に持ってきて点します。但し、バイ菌での汚染予防のため、容器の先が睫毛や瞼に触れないように注意しましょう。目薬は一回1滴入れば十分です。
 3.点眼後は、しばらく目を閉じそっと目頭を押さえてください。溢れた目薬は清潔なティッシュペーパー等でふき取って下さい。
 4.2種類以上の目薬を使用する場合には、間隔を5分以上あけましょう。
 5.家族や他人との目薬の使い回しはやめましょう。
 6.一度開封して1ヶ月過ぎた目薬は使用しないでください。ただし、目薬によっては1ヶ月より使用期限が短いものもありますので、ご注意ください。
 それでも目薬を点すのが苦手な方は、家族に協力してもらうか、目薬を点しやすくするための点眼補助具もありますので、お使いになってみればいかがでしょうか。

「まぶたの垂れ下がり~眼瞼下垂(がんけんかすい)について~」
 眼瞼下垂とは、上まぶたの持ち上げる力が低下し、正常位置(角膜上縁1~2mm下)より下がっている状態を言います。それにより、瞳孔に一部もしくは大きくかかった上まぶたにより、視線をさえぎられ、正面が見えにくくなり、日常生活にも支障がでてきます。
―原因―
 眼瞼下垂には先天性と後天性があります。先天性の場合には、新生児期や乳児期の写真をみることが診断の証拠になります。後天性の眼瞼下垂では、脳動脈瘤による動眼神経麻痺や重症筋無力症など、原因疾患の一症状の場合があります。また、加齢性の眼瞼皮膚弛緩によるものも多くみられます。加齢性の眼瞼皮膚弛緩は上まぶた自体下がってないにもかかわらず、その上の皮膚がたるみまぶたの縁をこえて垂れ下がった状態のことです。
 その他に、コンタクトレンズを長期間使用することで、生じることもあります。
―治療―
 後天性の眼瞼下垂の場合は、原因疾患をしっかり特定し治療することが重要です。
 また、内科的疾患以外の眼瞼下垂は、手術により改善することが可能です。
―眼瞼下垂のチェック―
 □最近まぶたが重い。
 □最近目を閉じている方がラクだ。
 □ものを見る時に、眉毛を上げることで額にしわができる。
 □正面を見るときに、顎(あご)が上がっている。
 □目線より上(視野の上方)が見づらい。
 □正面から見ると、黒目が半分ぐらいまぶたで隠れている。
 上記項目で一つでもチェックが入った場合は、眼科専門医にご相談ください。

「秋の花粉症~目の症状~」
 花粉症でのアレルギー性結膜炎と言えば、春のスギ花粉を思い浮かべる方が多いですが、実はアレルゲンになる花粉は通年で飛散しているのをご存知ですか?
 春から夏にかけてはスギやヒノキなど主に「木」の花粉、春から秋にかけてはイネ科、ブタクサ、ヨモギなど主に「草」の花粉があります。
 症状は、目のかゆみ・充血・寝起きのメヤニ、症状が強くなるとまぶたが腫れることもあります。あわせて、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を伴うこともあります。ただ、春のスギ花粉によるアレルギー性結膜炎に比べて、症状は軽い方が多くみられます。そのため、日によっては症状が落ち着いたりします。何か目に違和感があるといった、症状がくすぶる方がほとんどです。
 これらの症状がでた場合には、抗アレルギー点眼薬で治療し、症状によっては抗アレルギー剤の内服を行う場合もあります。
 目に違和感がある方は、一度眼科専門医を受診されてはいかがでしょう。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」
 明るいところや白い壁、青空などを見た時などに、眼の前に虫や糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいるように見え、視線を動かしても一緒に移動し、瞬きしても眼をこすっても消えない。このような症状が飛蚊症(ひぶんしょう)です。
 眼球の中の大部分は、硝子体(ゼリー状の透明な物質)で満たされています。外から入った光は、角膜、水晶体、硝子体を通過して網膜に達します。この硝子体に何らかの原因で「濁り」が生じた時に、その「濁り」の影が網膜に映って、「飛蚊症」を生じます。
 硝子体の濁りの原因は、加齢(老化)現象のことが多いですが、気をつけなくてはいけないのが、網膜剥離、眼底出血、硝子体出血、ぶどう膜炎の初期にも同じ様に飛蚊症を生じることです。
 飛蚊症を初期症状とするこれらの病気は、いずれも早期治療が大切です。見える浮遊物の数が増えたり形が変わったり、視力が落ちるような場合は直ちに眼科専門医にご相談下さい。

「はやり目」
 はやり目とは、アデノウィルスによる非常に感染力の高い結膜炎です。現在のところ有効な予防薬はないので、大勢の人に流行します。はやり目は、流行性角結膜炎と咽頭角結膜炎に分類されます。流行性角結膜炎に感染すると、急激に充血、流涙、目やに、眼痛を伴います。ときには、まぶたや白目に浮腫を伴うことがあるが、かゆみはありません。咽頭角結膜炎では、全身的に発熱、咽頭痛なども伴います。感染した場合、角膜混濁や角膜炎をひきおこし視力低下を起こす場合ことがあるので気をつけなくてはいけません。このアデノウィルスは乾燥にきわめて強く、涙液などの付着した場所は、長時間(一週間以上)にわたって感染源となり、病気になってしまった場合は、他の人へ感染しないように予防しなければなりません。
 ウィルスの種類によっては、症状が軽いので見すごしてしまうことがありますが、症状が強い場合はもちろんのこと、軽い症状でも出来るだけ早く、眼科専門医の治療を受けるようにしましょう。

「眼瞼について」
・『さかまつげ』には眼瞼がんけん内反と睫毛しょうもう内反の2つあります。
 睫毛内反は小児など先天性に多くみられ、まぶたの皮膚がまつげを押さえつけ、角膜を傷つける状態で、一重まぶたの方に多くみられます。角膜に当たっていなくても、瞳孔にかかるまつげが視力低下の原因になるとの報告もあります。治療は通常、手術(上眼瞼では通糸・埋没法などで二重瞼を作成)で改善します。
 眼瞼内反は、こちらはまぶた自体が眼球側に湾曲している状態です。原因には、けいれん性・瘢痕性・老人性とあります。それぞれ治療は、けいれん性はボトックス注射、瘢痕性と老人性は手術で改善します。
・『まぶたの垂れ下がり』は眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩の2つに分けられます。
 眼瞼下垂は上まぶたを持ち上げる筋力の低下などで生じます。先天性が80%を占め、後天性では内科的な疾患やけいれん性が原因のことも多くみられます。治療は先天性の場合は手術で、後天性の場合は原因疾患の治療、けいれん性はボトックス治療となります。
 眼瞼皮膚弛緩は、加齢により皮膚がたるんでまぶたを乗り越えて生じます。治療は余分なたるみ・皮膚を切除する手術となります。
・『涙』花粉症や角膜障害でも起こりますが、鼻涙管閉塞症が多くみられます。
 赤ちゃんの場合は、生後3ヵ月頃から目ヤニや涙がたまる・こぼれるなどの症状が出始めます。成人の場合は高齢者に見られます。
 治療は、ブジーといわれる細い針金状の器具で閉塞部を開通し、必要なときには更に柔らかいシリコンチューブを留置するといった負担の少ない治療で改善できます。
 これら全ては、日帰り手術で出来ますので、眼科専門医で相談してみてはどうでしょう。